「賃金が上がっている」という報道が増えている。実際に春闘では30年ぶりの高水準の賃上げが続いた。しかし同時に「生活が苦しい」という声も絶えない。「名目賃金」と「実質賃金」は別物で、体感に近いのは「実質賃金」の方だ。データで整理する。
- 実質賃金は2022年〜2024年にかけて2年以上連続マイナス(物価上昇が賃上げを上回り続けた)
- 2024年は賃金上昇が物価上昇に追いつき始め、24年ぶりに実質賃金がプラスに転じた月が出た
- 30年前(1994年)の実質賃金と比べると、現在はおよそ10〜15%低い水準という試算がある
- 賃上げの恩恵を受けているのは主に大企業・正規雇用。非正規・中小企業は格差が残る
「名目賃金」と「実質賃金」の違い

まず言葉の整理から。
- 名目賃金:実際に手にする金額(給与明細の数字)
- 実質賃金:名目賃金を物価の変動で割り引いた「実際の購買力」
例えば給与が3%上がっても、物価が5%上がれば実質的には2%のマイナスだ。「賃金は上がったのに生活が苦しい」という体感はこの差から生まれる。
・2022年:-0.9%
・2023年:-2.5%(30年以上ぶりの大幅マイナス)
・2024年:月によりプラス転換が始まる(春闘の賃上げが効果を発揮)
「30年ぶりの賃上げ」は本物か
2024年の春闘では、連合の集計で平均賃上げ率5.10%(2023年の3.58%を大きく上回り、33年ぶりの高水準)という結果が出た。
ただし、この数字には注意が必要だ。
| 区分 | 賃上げ率(2024年春闘) |
|---|---|
| 大企業(連合集計) | 約5%超 |
| 中小企業(連合集計) | 約4%台(大企業より低い) |
| 非正規労働者 | 春闘の対象外。最低賃金改定が主な手段 |
| 最低賃金(2024年) | 全国平均1,055円(前年比+51円、5.1%増) |
春闘に参加できるのは主に組合のある大企業・中堅企業の正規労働者。日本の労働者全体に占める労働組合員の割合(組織率)は2023年時点で16.3%(厚生労働省「労働組合基礎調査」)。つまり8割以上の労働者は春闘の恩恵を直接受けない。
「30年前と比べると」——失われた賃金水準

1990年代初頭の日本の名目賃金と現在を比較した場合、名目賃金はほぼ横ばい〜微増にとどまる(他の先進国が名目でも大幅に上昇した間)。物価を加味した実質ベースでは下落している。
日本が「賃金が上がらない国」になった主な要因として分析されるのは:
①デフレ下での賃金抑制慣行の定着(90年代以降)
②非正規雇用の拡大(1990年代〜2000年代の規制緩和)
③企業が内部留保を積み上げ、賃金に回さなかった(企業の内部留保は2023年度に過去最高の511兆円超:財務省法人企業統計)
まとめ:賃上げは「始まった」が「戻った」わけではない
2024年の春闘を機に「賃金が上がり始めた」のは事実だ。しかし30年間積み上がった実質賃金の低下を「5%の賃上げ1年」で取り戻すのは数学的に無理だ。
「賃上げが続く」という流れを本物の変化にするには、最低賃金の大幅引き上げ・非正規の処遇改善・内部留保を賃金に回す企業への圧力——という複数のアプローチが同時に必要になる。まだ道半ばというのが正確な現状だ。




コメント
税金が高過ぎる。
労働組合がただの反日カルトになって機能不全化してるから当然の結果
組合の連合が仕事を居ていないだけ、そして野党の力不足!文科省側の学校教育の賜物!抵抗することをはぎ取った教育制度!子供たちの自主独立を奪い去った教えの結果、造反を許さない教育制度の勝利。
はいはい国民が悪い、国民が悪い
長期の失政のおかげですねこれ迄の(自民党)
と増税命の財務省のお陰ですね、国民を上手く
騙し続けたな。お