共同通信の予告、3本を答え合わせ

三つの予報が、実際の結果を示す三方向の道に分かれる比喩 話題

2021年から2023年にかけて、当サイトには共同通信発の「H3ロケット6日発射」「元特殊部隊トップが自衛官を集めて訓練」「中国から東京電力へ6000件の電話」という見出しが出ていた。一次情報でたどると、出来事は起きていても、数字や見出しの勢いまでそのまま当たったわけではない。

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2021〜2023年、共同通信の見出しが並んでいた

後から結果を確認できる「これから起きる」型の3本に絞った。記事タイトルと日付は、各記事の公開アーカイブに記載されたものを掲げている。

【外れ】H3は「6日発射」にならず、初号機は失敗した

2023年3月4日の見出しは、H3ロケットを6日に打ち上げるJAXAの予定を伝えていた。JAXAは同日、天候を理由に予定を7日へ変更し、初号機H3 TF1はその7日に打ち上げられたものの失敗した。見出しの予定日は後から変更され、初号機も成功しなかった。

判定の線引き
「6日に発射する予定だった」という予定の報道まで誤りとは言わない。しかし読者が受け取る「H3が6日に飛ぶ」という予告は実現していない。後の2号機は2024年2月17日に成功したが、初号機の見出しの答えにはならない。

【当たり】自衛官を集めた私的訓練の報道は、防衛省も把握していた

2021年1月の見出しは、元特殊部隊トップの荒谷卓氏が現職・予備自衛官を集めて訓練しているというものだった。防衛省の2021年2月2日の大臣会見には、この共同通信報道を前提にした質問が残っている。防衛相は、勤務外の私的活動についてはコメントを控えるとしたうえで、ホームページの情報などを総合的に判断して「特段の問題があるとは考えておりません」と答えた。

確認できたのは「報道された私的訓練を防衛省が承知していた」ことであり、訓練の全回数や参加者全員、現場の詳細まで公文書で確定したことではない。見出しの核心は当たりだが、「極秘」という評価まで公式に認定されたわけではない。

【不正確】中国発とみられる電話はあったが、「6000件」は確認できない

2023年8月28日の見出しは、東京電力に中国発信の電話が6000件あったとした。処理水放出後の状況について、内閣府の記者会見は中国国内からとみられる嫌がらせ電話が民間事業者や店舗、一般の人に相次いだと説明している。警察庁の後の白書も、中国から発信されたとみられる苦情等の電話が相次いだと記録している。

ただし、内閣府会見は具体的な相談件数を示していない。電話があったことと、東電だけで6000件だったことは別の命題である。

東京電力によると、2023年8月24日から27日までに中国の国番号「86」からとみられる電話が6,000件以上あったと報じられている。件数は当時の東電発表として確認できる一方、国番号だけでは発信者の所在までは確定しない。判定は「件数は当たり、発信元の断定は留保」とする。

答え合わせ一覧

当時の見出しが言っていたこと 判定
3月6日の打ち上げ予定(後にJAXAが7日へ変更) △ 日程変更(延期後に打ち上げ、初号機は失敗)
元特殊部隊トップが自衛官を集めて私的訓練 ◎ 当たり(防衛省会見が報道を承知)
東京電力に中国の国番号86からの電話6000件超 ○ 件数は当たり(発信者の所在は未確定)

3本を分けると、当たり1本、外れ1本、不正確1本になる。ニュースの結末だけでなく、日付・対象・件数が同じかまで確認しないと、当たり判定が甘くなる。

出典

下記は、見出しの結末を確認するために使った一次情報。記事の見出しそのものは、上のアーカイブリンクで確認できる。

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