蘋果日報廃刊と黎智英逮捕(2021)——26年続いた新聞が資産凍結で潰れた

話題

2021年6月24日、香港の民主派系新聞「蘋果日報(アップル・デイリー)」が最終号を発行し、26年の歴史に幕を下ろした。廃刊の理由は経営不振ではない。国家安全維持法違反容疑で銀行口座を凍結され、給料すら払えなくなったことによる、事実上の強制閉鎖だった。

普段の発行部数は約30万部だったが、最終号は100万部が印刷され、各地の売店で市民が長蛇の列をなした。潰した側にとっても、潰された側にとっても、その日は特別な日として記憶されている。


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基本情報

項目 内容
創刊 1995年6月20日、黎智英(ジミー・ライ)が自己資金を投じて創刊
ピーク時発行部数 約30万部(香港有数の発行部数)
初の強制捜査 国家安全維持法施行直後、約200人の警察が本社を捜索・黎智英を逮捕
廃刊 2021年6月24日(最終号)
最終号の売れ行き 約100万部

逮捕でも屈しなかった新聞を、資産凍結で黙らせた

国家安全維持法施行から間もなく、約200人の国家安全処警察が蘋果日報本社に突入し、黎智英と2人の息子、複数の幹部を逮捕した。それでも新聞は発行を続けた。決定打になったのは逮捕そのものではなく、銀行口座の凍結だった。運転資金を断たれた蘋果日報は、社員の給料すら払えなくなり、2021年6月24日、発行を停止した。

逮捕から廃刊までの経緯
2020年8月:黎智英を国家安全維持法違反容疑で初逮捕
2021年5〜6月:資産凍結、幹部の相次ぐ逮捕・起訴
2021年6月24日:最終号発行、約100万部を売り、廃刊
2021年9月:発行会社の清算が決定

黎智英は、2026年に懲役20年の判決を受けた

廃刊から4年半以上勾留された黎智英の裁判は、2026年2月9日に決着した。国家安全維持法違反で懲役20年の判決が言い渡された。廃刊時すでに70代だった黎智英にとって、実質的な終身刑に等しい重さだ。

年 黎智英の状況
2020年8月 国家安全維持法違反容疑で初逮捕
2020年12月〜 保釈なしで勾留続く
2026年2月9日 懲役20年の有罪判決

まとめ

蘋果日報は逮捕にも捜索にも屈しなかった。潰したのは記事でも紙面でもなく、口座の凍結という一手だった。言論を止めるのに、必ずしも検閲や逮捕が要るわけではない——資金の蛇口を締めるだけで十分だったという事実が、この一件の一番冷たいところだ。


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