日本のGDPはドイツに抜かれたのか

同じ高さの二つの積み木が為替の風で入れ替わる比喩 話題

2023年10月、当サイトは「日本とドイツのGDP逆転か」と書いた。実際、名目GDPはその年にドイツが日本を上回った。ただし、「GDPで抜かれた」と「日本経済が全部終わった」は同じ話ではなかった。当時の見出しを、世界銀行の統計で答え合わせする。

スポンサーリンク

2023年2月〜2024年1月、逆転の見出しが並んでいた

【当たり】名目GDPの順位は、本当に逆転した

世界銀行の「GDP(current US$)」では、ドイツの2023年名目GDPは約4兆5622億ドル、日本は約4兆3849億ドルだった。2022年は日本が約4兆4480億ドル、ドイツが約4兆2010億ドルだったので、順位の逆転は2023年の数字で確認できる。

年 ドイツ 日本 上位
2022 約4.201兆ドル 約4.448兆ドル 日本
2023 約4.562兆ドル 約4.385兆ドル ドイツ
2024 約4.686兆ドル 約4.190兆ドル ドイツ

この意味では、「ドイツに抜かれる」という見通しは外れなかった。2023年の順位だけを指すなら、判定は◎当たりである。

【不正確】「世界4位」は指標を省略していた

ただし、GDPには名目と実質、ドル換算と購買力平価など複数の見方がある。今回の逆転を示す世界銀行の数字は、各国通貨のGDPを当年のドル換算で比べる「GDP(current US$)」だ。見出しに「名目・ドル換算」と書かなかったため、経済の実力全般が逆転したように読めた。

数字の注意:2023年の日本の順位が下がった主因には、ドル換算時の為替レートも入る。名目GDPの国際順位は、国内で何をどれだけ生産したかだけでなく、通貨の換算条件にも左右される。

したがって「名目GDPの順位が4位になった」は◎当たり、「日本の生産力がドイツに全面的に負けた」は、この数字だけでは言えない。判定は△不正確とする。

【外れ】「人口半分の国に抜かれた」から日本全体が落ちぶれた、は飛躍だった

2023年の見出しは、人口規模の違いを強調しながら「さらに落ちぶれる前に」と結論づけた。人口あたりの豊かさや賃金、産業構造を調べるには別の統計が必要で、名目GDPの総額だけでは判定できない。総額の順位から国民一人ひとりの生活まで一気に結論を伸ばした部分は、答え合わせの対象としては外れである。

切り分け:ドイツが日本を名目GDPで上回った=◎。日本が「世界4位になった」=指標を限定すれば◎。だから日本経済の問題がすべて解決した、またはすべて崩壊した=この資料では判定不能。

順位が落ちた事実を、国全体への採点に変えたところで、見出しは統計の答え合わせから感想文に変わっていた。

答え合わせ一覧

当時の言い方 判定
日本の名目GDPにドイツが肉薄 ◎ 当たり(2022年時点で差が縮小)
日本とドイツのGDPが逆転 ◎ 当たり(2023年の名目ドル換算)
日本のGDPが世界4位に転落 △ 不正確(名目GDPの指標を省略)
人口半分の国に抜かれたから日本は落ちぶれた × 外れ(総額の順位からは言えない)
日本経済の実力全体がドイツに抜かれた × 外れ(比較する指標が別に必要)

5項目のうち、順位の予測は当たった。一方で、名目GDPの数字を「経済全体の勝敗」に広げたところは外れた。当たったのは順位であって、そこから作った物語までではない。

出典

この答え合わせで使ったGDPは、世界銀行が公表する「GDP(current US$)」の値。指標の範囲を広げず、確認できた順位だけを判定した。

コメント

  1. そりゃドル換算でGDPを表せばドイツに抜かれたって不思議じゃ無いだろ
    超円安超ドル高で名目上は数年前の4割下がるんだからな
    経済規模が拡大し続けてる日本が経済規模縮小し始めてるドイツに抜かれたなんて数字上のギミックでしか無いよ

  2. 日本が伸びる政策をしていないし
    金持ちだけがさらに儲ける仕組みだからなぁ
    後消費全

タイトルとURLをコピーしました