2023年から2024年にかけて、大阪・関西万博の見出しはほぼ全部「やばい」で埋まっていた。建設費が膨らむ、パビリオンが建たない、前売り券が売れない、会場からメタンガスが出る。当時の空気で言えば、開催そのものが賭けだった。
万博は2025年4月13日に開幕し、10月13日に閉幕した。運営収支は230億〜280億円の黒字見込み(2025年10月時点)で、2005年の愛知万博(129億円)を上回った。当時の見出しを1本ずつ並べて、どれが当たってどれが外れたのかを数字で確かめる。
2023〜2024年、この見出しが並んでいた
当サイトが当時扱った万博関連記事は40本。うち21本は「これから起きる」形の見出しだった。代表的なものを時系列で並べる。
| 日付 | 当時の見出し |
|---|---|
| 2023-06-15 | 大阪万博の入場料、大人7500円で調整…運営費膨らみ異例の高額に |
| 2023-07-14 | 大阪万博パビリオン、国内勢も足踏み 着工申請3割 |
| 2023-09-14 | 総額1兆円規模の可能性も…無尽蔵に膨らむ予算 |
| 2023-11-08 | 十倉会長、万博の巨大木造建築物リング(350億円)は必要で是非やりたい |
| 2023-12-04 | 「45秒に1本のシャトルバス」に唖然…人員輸送計画は「机上の空論」 |
| 2023-12-30 | 「毎日15万人押しかけないとダメ」の「かなわぬ目標値」 |
| 2024-04-05 | 万博会場 どこでもメタンガス発生…大阪市、可能性認める |
| 2024-04-15 | 「万博の華」のパビリオン、20か国減の40か国程度の見通し |
当たっていた批判:金は本当に膨らんだ
まず外せないところから。会場建設費は当初1,250億円から2,350億円まで、当初比8割超の増額で確定した。2020年に会場デザインの変更や暑さ対策で1,850億円へ、2023年11月に資材高と海外パビリオンの建設遅れ対応で2,350億円へ。増えた分は国・大阪府市・経済界が3分の1ずつ負担した。
前売り券も売れなかった。目標1,400万枚に対し、開幕前日までの販売は約970万枚。7割どまりである。
| 当時の言い分 | 結果 | 判定 |
|---|---|---|
| 建設費が無尽蔵に膨らむ | 1,250億円 → 1,850億円 → 2,350億円(当初比8割超増) | ◎ 当たり |
| 前売り券が目標に届かない | 目標1,400万枚 → 実績約970万枚(約7割) | ◎ 当たり |
| 運営費も膨らむ | 運営費は1,160億円=当初計画の約1.4倍 | ◎ 当たり |
「金が膨らむ」という一点に絞れば、批判した側はほぼ全勝している。1兆円という数字だけは会場建設費・運営費とは別枠のインフラ整備費を含めた話で、単純比較はできない。
外れた批判:人は来たし、運営は黒字だった
問題はここから先だ。2023年12月の見出しにあった「毎日15万人押しかけないとダメ」は、当時「かなわぬ目標値」として紹介されていた。
実績は、累計来場者2,902万人、1日平均15.8万人。関係者用のAD証入場者を除いた一般来場でも2,558万人・1日平均13.9万人である。日経の集計では一般来場者は約2,557万8,900人だった。
| 当時の言い分 | 結果 | 判定 |
|---|---|---|
| 毎日15万人など来るわけがない | 1日平均15.8万人(AD証除き13.9万人) | × 外れ |
| 運営は赤字になる | 230億〜280億円の黒字見込み(愛知万博は129億円) | × 外れ |
| チケットが売れず収支が回らない | 収支均衡ライン約1,800万枚を8月上旬に超過、9月3日時点で約2,206万枚 | × 外れ |
上の「230億〜280億円」は閉幕直後の見込み。日本国際博覧会協会が2025年12月24日の臨時理事会に出した資料では、閉幕後の請求・精算が進んだ結果、運営費収入が計画の1,160億円から約1,480億円(+320億円)へ、支出は計画比で最大50億円下振れする可能性があると報告されている。差し引きで320億〜370億円の黒字見込みにあたる。ただし同資料は精算手続きが継続中で今後も変動しうると注記している。
面白いのは、外れ方が「数字を間違えた」ではないことだ。毎日15万人という必要ラインの計算そのものは合っていた。外れたのは「だから無理だ」の部分だけである。前売りが7割で止まったぶんは、開幕後の当日券と再訪で埋まった。
「40か国」と「158か国」は別の話
2024年4月の「万博の華のパビリオン、20か国減の40か国程度の見通し」は、いま読むと参加国が40か国まで減ったように見える。ここは切り分けが要る。あの見出しが指しているのは自前で建物を建てるタイプの海外パビリオンの数であって、参加国そのものの数ではない。
- 参加:158か国・地域+7国際機関
- 会期:2025年4月13日〜10月13日
- 累計来場者:2,902万人(AD証入場者除き2,558万人)
- 9月10日以降、来場者は34日連続で20万人超
自前建設のパビリオンが減って簡易型に振り替わったのは事実で、そこは当時の指摘どおりだった。ただし「参加国が40か国に減った万博」という読み方は、数字の意味を取り違えている。
350億円のリングはどうなったか
経団連の十倉会長が「必要で是非やりたい」と言い、当時いちばん叩かれた大屋根リング。閉幕後は全体を残さず、北東側の一部だけを跡地に保存することになった。解体した部分の木材は、能登半島地震で被災した石川県珠洲市の復興住宅の建材などに回されている。
- 建設時の議論:350億円の木造リングは無駄か、レガシーか
- 閉幕後の扱い:全周ではなく一部を残置、残りは解体
- 解体材の行き先:能登・珠洲市の復興住宅の建材ほか
答え合わせの答え
整理するとこうなる。金の見積もりを疑った側は当たり、人が来ないと決めつけた側は外れた。そして両者はだいたい同じ記事の中に同居していた。「建設費が膨らむ」と「だから失敗する」は、本来まったく別の主張である。
| 論点 | 判定 |
|---|---|
| 会場建設費は当初見積もりを大きく超えるか | ◎ 当たり |
| 運営費は当初計画を超えるか | ◎ 当たり |
| 前売り券は目標に届くか | ◎ 当たり(届かなかった) |
| 1日15万人という来場は非現実的か | × 外れ |
| 運営収支は赤字になるか | × 外れ |
なお、警備費や途上国の出展支援には国費が別に入っており、運営収支の黒字だけで「万博は儲かった」と言い切れるわけでもない。会場建設費2,350億円の3分の1は国の負担である。黒字と税負担は同時に成り立つという、いちばん見出しにしづらい結論が残った。




コメント
東京のマスコミ、識者、解説員、文化人、皆馬鹿、アホ、マヌケの集まり!ただの自分の無能を晒しただけでした~~
失敗させたいヤカラが必死だったからなあ
ほんと楽しかった。パビリオンもそうだけど(話しだすと止まらない)、1日ふらふら歩いて汗かいて飲む1人海外ビール万博も最高だったわ。
まあ金の計算は分からんが一生分払う税金分以上は楽しんだよ。
共産党のあいつがガスがーとかやったせいで行くのがだいぶ遅れた。それがなかったらもっと回数行けた。共産党が大っ嫌い。
涼しくなったら行くつもりで予約取ろうと思ったら全然取れなくて諦めた
一回行った人らは全員リピーターになってたぐらい楽しかったらしい。