朝日新聞の5年前の見出し、答え合わせ

話題

2020年9月、当サイトには「朝日新聞が遂に500万部割れ」という見出しが出ていた。5年後に確認すると、部数の方向はその通りだった一方、政治予想はそう簡単に残らなかった。見出しの勢いと、確認できる事実を分けて答え合わせする。

スポンサーリンク

2020年9月〜2021年8月、この見出しが並んでいた

このうち、後から事実で確認できるものを4本選んだ。「実売350万部以下」のように、この見出しだけでは測れない数字は、確認できる発行部数と混ぜない。

【当たり】500万部割れの方向は、見出しどおりだった

日本ABC協会は、新聞社の報告部数を載せる発行社レポートと、帳簿などを調べて認証する公査レポートを分けている。つまり「部数」と言っても、まず何の数字かを固定しなければならない。

確認できる現在地
朝日新聞の広告案内は、2025年7〜12月平均の朝刊を約319万部としている。2020年の見出しが言った「500万部割れ」は、少なくともその後の公称・発行部数の推移とは逆向きではなかった。ただし「実売350万部以下」は別の数字で、ここでは判定しない。

500万という境目を越えた、という大筋は◎当たり。一方、見出しに続く「実売」の推測まで同じ証拠で断定するのは△不正確だ。

【外れ】前川喜平氏が「野党共通の首相候補」になることはなかった

2021年5月の見出しは、前川喜平氏を野党共通の首相候補にするという構想を紹介していた。その後、衆院は2021年10月に解散され、31日に第49回総選挙が行われた。衆議院の公式資料には、立候補者1,051人と党派別の当選者が記録されているが、前川氏が候補者・当選者として載った事実は確認できない。

予想 後から確認できたこと
前川氏が野党共通の首相候補になる 総選挙は行われたが、その形にはならなかった

これは政策の良し悪しではなく、候補者として実際に選挙へ出たかという話だ。政治の「候補」は、選挙の日付が来ると答えが出る。判定は×外れ。

【不正確】甲子園は開催されたが、感染拡大の心配までは判定できない

2021年夏の見出しは、感染拡大を心配する市長の発言と、開催継続を並べていた。日本高等学校野球連盟の大会記録によれば、第103回大会は8月10日に始まり、決勝も8月29日に行われた。開催継続という部分は◎当たりだ。

ただし、開催したことは「感染拡大しなかった」の証明ではない。
公式の大会ページから確認できるのは、開催日と決勝結果まで。感染拡大の有無をこの1ページだけで結論にしない。心配が現実になった/ならなかったの二択に潰すと、見出しの主語を取り違える。

「開催継続」は当たり、「感染拡大」の結論は△不正確。答えが出た部分と、別の統計が必要な部分を切り分ける。

【当たり】フランス紙の見出しは、抗議を受けて変更された

2020年12月の見出しは、フランス紙の記事配信をめぐり、フランス人から「見出しを捏造するな」と抗議を受けて変更へ進んだ件だった。これは未来予想というより、見出しの末尾に残った「へ」がすぐに結果へ変わった例である。

判定の範囲
元記事が記録している「抗議を受けて変更へ」という出来事は、当時の見出し自身が変更の流れを示している。ここでは、変更後のフランス語原文の真意まで推測して判定を広げない。

答え合わせ一覧

2020〜2021年の見出し 判定
朝日新聞が500万部を割る ◎ 当たり
前川喜平氏が野党共通の首相候補になる × 外れ
甲子園の開催を継続する ◎ 当たり
感染拡大の心配が現実になった/ならなかった △ 不正確

4本を並べると、部数と大会開催のように日付や公表値で確かめられるものは当たった。政治構想は外れ、感染のように別の統計が要るものは判定を急げない。答え合わせの敵は、予想の外れより数字の混同だった。

ほかの見出しも答え合わせ

出典

コメント

タイトルとURLをコピーしました